弁護士の収入が激減しているそうです。
表は2015年度の日本弁護士連合会の「弁護士白書2015」弁護士活動の実態アンケートのキャプチャーですが、
弁護士の収入が8年間でなんと半減しています。
様々な理由がありますが、一番大きな原因は取扱事件数が減少しているが、弁護士人口が増えているので一人当たりの取扱事件数が減り、収入減になっているからとのこと。
さらに実績があったり、広告戦略が成功し、業績を大幅に上げている大手法律事務所などと、
知識がありクライアント本位に取り組んでいるも、自己PRや営業、集客活動が上手くいかず集客出来ていない弁護士との間に格差が生じています。
もちろん、弁護士だけでなく弁護士や司法書士、税理士、社労士などの経営士業の場合は、独立してから新規のお客様を獲得できるかどうかは切実な問題となっています。
とはいえ、「10! 20! 30!」といったような派手な広告や、ガツガツした宣伝での営業・集客は、クライアントや同業者からの心象を悪くしてしまうし・・・という迷いや苦境を抱えているかたも多くいらっしゃいます。
今回は、クライアントの心象を害さず、逆に感謝される方法で集客問題を解決する方法をお伝えいたします。
実際にお手伝いしている企業さんでも、この方法で流入を増やし、
そこからホームページ全体への動線をつくって問合せ、高額契約に繋がっています。
難しいことはありませんので、志師丸と独立開業したての白熊弁護士との会話を楽しくお読みください。
すぐに実践できる内容です。
目次
弁護士事務所はホームページでは集客できない?
師匠、独立開業1年目の弁護士白熊さんです。
白熊さん こんにちは。集客でお困りとのことですね。
こんにちは。開業してから1年目ですが、ご相談やご依頼があまりなくて・・・
そうですか。法律事務所も今は大変だそうですね。HPはお持ちですか?
はい。開業と同時に開設しました。
でも、現在問合せがこないんです。
まぁ・・・過去に一度あります。
ですが、本当にただの問合せで集客にはつながりませんでした。
やっばりアレですかね。
法律事務所はホームページから問合せとか、集客なんて無理なんですかね。
そんなことありませんよ。
法律の相談者がまず起こす行動は、パソコンやスマホで検索することでしょう。
最近は音声でも検索できますし、シニア世代もスマホで調べる割合が増えてきています。
口コミや紹介よりも多いと思いますよ。
マーケティングを考えてホームページを運営すればWEB集客は可能ですよ。
弁護士向けの集客セミナーに参加たことがありますが、
SEOとかマーケティングとかそういう、数字をこねくり回したりするのは性に合いません。
ガツガツギラギラしているホームページに惹かれてくるクライアントさんもどうかと思いますし。
なによりも、法律関係は守秘義務や公開出来る範囲だって決まっているんです。
だから弁護士サイトは、どこも似たり寄ったりになっているんです。
ホームページから問合せがくればそりゃいいんですがね・・・そんなの大手じゃないと無理ですよね。
士業事務所さんは、大手のように大々的な広告を打つことを控えるかたが多いですね。
誠実な気持ちとマーケティングって相いれないモノと感じてらっしゃるのですよね。
そのお気持ちは理解できます。
実際ホームページは、集客という観点からすると、お客様を呼び寄せるというものなのですが、
一方でこんな考え方はどうでょう。
世の中には、知識がないばかりに悲しい思いをしているかたがたくさんいらっしゃいます。
何もなさらないかたもいますが、何とか情報を得たいとインターネットで調べようとしているかたもいらっしゃいます。
そういうかたにお役に立つ情報を発信することは大切なことですよね。
白熊さんならではの情報を探しているかたがいらっしゃいます。
そういうかたが見つけられるように手助けすることも大切ですよね。
「あなたの知りたい情報はここにありますよ」と。
そのためには、お客様の行動を知って、見つけやすいようにこちらがしてあげなければ、白熊さんの情報にたどり着けません。
どうしてあげたら良いのでしょう。
マーケティングとかターゲット、顧客獲得などと表現すると、
どうしても”攻めて攻めて”、”イケイケガツガツ”というイメージを持っているかたもいらっしゃいますし、実際攻めることなんですが・・・
お客様も情報を探しています。
困った問題を今すぐ解決したいと思っています。
そういうかたに、解決方法を伝えたいですよね。
漁をイメージしてみましょうか。
大量の魚を捕るために、底引き網などがありますね。
魚捕りは得意ですよ。
狙った魚の動きを先回りして、
予想的中でガッと手づかみしたときのあの快感といったら・・・
そうそう、白熊さん、それなんです。
私の言いたいことを先回りして言ってくれちゃいましたよ。
動きを予想せずに、当てずっぽうなんてしてたら、
魚は獲れませんよね。
もちろんですよ。
あっそうか・・・大手のような大々的な広告が底引き網だとしたら、こちらは一本釣りというわけですね。
イヤイヤでも、一本釣りなんてやっていたら効率が悪いんじゃないですか?
そもそも何をもって一本釣りなんですか?
個人事業主が大手に勝つ手段としてのブログ
それがブログなんですよ。
ブログは、小が大に勝てるツールなんですよ。
ブログ?誰も私のブログなんて読みませんよ。
大した日常を送っていませんよ。
仕事、仕事の毎日。旨いものも食べる機会もありませんし。
白熊さん、それは日記ブログのことですね。
私の言っているのはビジネスブログのことです。
日記ブログ
- 有名人、個人が日々の出来事を綴るもの
- 主役は自分
ビジネスブログ
- 主役はお客様
- ビジネス活用を前提としたもの
- ビジネスゴールを意識して設定・運用されているもの
イヤイヤ 仕事の事なんか、もっと書けませんよ。
守秘義務がありますし、法律問題なんて難しいこと誰も好んで読みませんって。
そうですね。お客様の事例をそのまま書くのははばかれますよね。
法律の難しい話は、私も苦手です・・・
ですよね。ブログなんてありえないんです。
なるほど・・・
では白熊さんは、検索サイトで何かを調べることはありますか?
もちろんありますよ。色々調べますよ。
仕事はもちろんですが、日常のこととかも調べますよ。
最近何を調べましたか?
昨日旨い日本酒を飲んだんです。
あまり知らないお酒だったので、調べましたね。
それがかなり充実しているページで、ちょっと調べるつもりが見入っちゃいましたよ。
いやぁ面白くてためになりました。
それは良かったですね。
それは、どんなページでしたか?
小さな酒造メーカーなんですが、飲み比べの方法とか、日本酒に合うおつまみとか、工場見学もできるから今度行ってみたいなと思いましたね。
その豆知識的なことってもしかしたら、ブログ形式になってませんでしたか?
あ、そういえば「4代目ブログ」とか書いてました。
そうか。そういうやり方もあるんですね。
でも、それが小が大に勝つというのが分からないです。
では、ここでホームページの構造というものを説明しましょう。
このようにトップページがあり、その下の階層に、会社案内やサービス案内のページ、ランディングページやブログもあります。
このブログは、自社のホームページの中に作るブログで、アメブロなどではありません。
ホームページの玄関といえば、このトップページを思い浮かべますが、この玄関から入ってくるのは、URLを知っている人か、事務所の名前を知っていて、事務所名で検索してくる人です。
- ●●法律事務所
- 弁護士 ●●
・・・など。
もちろん、キーワードで検索上位に入ればそこからも入ってはきます。
でも、それは中々厳しいことがあります。
その他の人たちは、下の階層の1ページ、1ページから入ってきます。
白熊さんも検索した先が、ブログページだったことはありませんか?
これら1ページ1ページに、お客様の動きを予測したキーワードを含めた内容を書くんです。
その質が高ければ、検索サイトで上位表示されて、お客様がやってきます。
入り口はひとつではないんです。
トップページだけで狙うのではなく、それ以外の入り口を作ってそこから来るようにします。
なので、小でも勝てるようになるわけです。
検索サイトで上位表示されるには
では、たくさんブログを書かなきゃダメなんでしょうか?
そうとも言い切れないんです。
その理由として、検索サイトの仕組みについてまずは説明しますね。
検索サイトの上位表示のしくみ
検索サイトというのは、広告収入で成り立っているのはご存知だと思います。
そのために、たくさんの人たちに調べに来てもらわなければなりません。
でも、あるキーワードで調べにきても上位に表示されるページの内容が薄くてスカスカのページだったら・・・
「使えない検索サイト」として信用を無くし、調べに来なくなってしまいます。
そうならないために、上位表示されるページは、調べたいことにマッチしている、ちゃんと解決できる内容になっているページにしなければなりません。
内容が的確かどうかは”アルゴリズム”というものや、AIを導入して調べています。
つまり、上位表示されているページは、検索者にとって親切で内容が充実しているページというわけです。
数よりも、質で勝負です。
質ならば、専門家の白熊さんは大丈夫ですね。
キーワードとは
はぁ・・・どうでしょうか。
すみません、今一つピンとこなくて。
先ほどキーワードとおっしゃってましたが、検索のキーワードって何ですか?
キーワードというと、難しい感じがしますが、簡単にいうと、検索サイトの検索窓にいれる言葉やセンテンスのことです。
ですから、キーワードを考えるというのは、お客様がどんな言葉で検索するかを考えるということです。
たとえば、白熊さんのホームページにはどんな言葉で検索してきてもらいたいですか?
私の専門は相続なので、「相続 相談」とかでしょうかね。
「相続 相談」ですね。
ここで大切なのは、そのキーワードで検索されているかどうかということ。
そして、競合の割合がどうかということです。
調べてみますね。
これは「キーワードプランナー」といって、Googleのツールで、月間でどのくらい検索されているのかが分かります。
これによると、「相続 相談」では月間で2,900件検索されています。
ですが、競合性が「高」なので、ライバルが多いです。
入札単価は997円です。
これは、1回クリックするごとにGoogleに支払われる金額です。
たった1クリックでですか?
はい。そのくらい払ってもよいくらい「今すぐ」のお客様が検索する確率が高いからでしょうね。
広告費はかかりますが、回収できる見込みがあるということですね。
今すぐキーワードは、上位表示が難しい
このキーワードで私は上位表示されないですよね・・・
絶対無理というわけではありませんが、難しいことではありますね。
誰もが思いつくようなざっくりしたキーワードでは、ライバルが多くなりますが、実際に見てみましょう。
yahooで検索してみますね。
どうですか?法律事務所だけではないようですね。
税理士事務所、会計士事務所、司法書士事務所もありますね。
それも大手ばかりじゃないですね。
これなら、私も狙えますかね。
今すぐキーワードは、狙わなくてもいい
そうですね。狙えないことはないですが、すぐには厳しいかもしれませんね。
そうですか・・・
大丈夫ですよ。「今すぐキーワード」は狙わなくてもOKですよ。
白熊さん、ちょっと想像してもらいたいのですが、相続について相談したい人はどんなことに困っているのでしょうか?
それは色々ありますよね。 節税したいとか、贈与税がどのくらいかかるかとか、親族の争いとか、遺言書とか・・・
そうですね。
節税したい!
贈与税ってどのくらいかかるのかな?
親族争いを決着させたい!
遺産配分をどうしようか・・・
それぞれに悩みは違いますが、相続について相談したいと思っている人たちです。
そういう人たちににむけてその解決策を書いてあげるんです。
もう一度キーワードプランナーを見てみましょう。
今すぐにつながるキーワードの見つけかた
狙い目は、月間検索数が多くて、競合性の低いキーワードです。
「贈与 税」で60,500件
「遺留分」で9,900件
「遺言」で6,600件
「遺産」で5,400件
「贈与」で5,400件
「相続 順位」で3,600件あります。
これらは、頑張ると上位を狙えるでしょう。
「遺留分」なんていうのもあるんですね。
あまり普通のかたは使わない言葉ですがね。
そうですね。
こうした普通は使わない専門用語は、どういう意味か知りたい人ですね。
それを知らなければならない状況になって調べたということもあるかもしれませんね。
もしかしたら、今すぐ必要で知りたいかたもいるかもしれませんね。
そういうかた向けに伝えるといいですね。
上位表示するには
どんなことをどれくらい書けばいいんでしょうか
それは、上位表示されているページを参考にすると良いです。
上位表示されているページは、検索サイトから親切なページであるということでランキングされています。
つまり、そのキーワードのお手本として成功しています。
それらのページを参考にして、それ以上の網羅性と文字数で書けばいいんです。
文字数は、こちらのページで調べることもできます。
SEO文字数(テキスト量)評価チェックツール
若干、文字数が多いような気がしますが、上位と比較するには便利に使えます。
その他にも有料のカウントツールなどもあります。
こちらは「遺言」というキーワードで上位表示の文字数をカウントした結果です。
幅はありますが、上位は大体5000文字相当が必要そうですね。
但し、キーワードによっては、文字数が必ずしも順位と相関関係にない場合もあるので見極めも必要です。
この場合は、文字数と相関関係がありそうですね。
また、網羅性を調べるには、各ページの内容を見比べて、求められる情報を調べます。
今回の「遺言」の場合は・・・
遺言書 相続 効力 費用 書き方 種類 遺留分 公正証書 自筆 読み方
などは盛り込んだ方がよそうですね。
こうした調査をしたうえで、ブログを書くことで、質の高い、検索者が満足する内容となり、上位表示され、ページの訪問者が増えるわけです。
今すぐキーワードへの入り口を作ればいい
そして、対象のキーワードで来てくれたかたを、相続相談窓口のページに誘導してあげるといいんです。
つまり、上位を狙えるキーワードのあるページで入り口をつくって、そのページから一番見てもらいたいページにリンクをはって、動線をつくるわけです。
相続相談のページは、ブログではなくて固定ページと呼ばれる常に場所が決まっているページが良いですね。
イメージとしてはこんな感じです。
伝えるだけでは他に行かれてしまう
そういう人に解答するブログを書けばいいんですね。
そうですね。
ただし、自分が伝えたいノウハウ的な説明だけを書くだけでは、他のページと一緒です。
読んだら、他所のページに「もっと参考になるページはないか」と離脱されてしまいます。
少し青臭いかもしれませんが、血の通った文章に人は惹かれます。
何となくわかる気はしますが、具体的にどう書いたらいいのでしょうか?
ブログの役目がお困りごとの解決というのはお分かりいただけたと思います。
見に来るかたは、解決方法を知りたくてきますからね。
その際気をつけることは、1ページ、1お客様、1解決ということです。
誰にでも参考になるような書き方ではなく、一人のお客様を狭く深く設定して、そのかただけに伝えるつもりで書くことが大切ですね。
そうすることで、共感の言葉や、寄り添いの姿勢が文章の中にでてきます。
出来ていないことへの理解を示したり(●●であること理解できます)
自分もそうだったと同意したり(実は私もそうでした)
一旦受け止め、その上で成功や解決に導く言葉に信頼と安心を寄せます。
そして「もっとこの人のブログ投稿を読んでみたい」~「この人ってどんな人だろう」とプロフィールや会社案内をみて、すぐ解決したい人は問合せに繋がります。
集客ブログの書き順
書き順はこんな流れです。
◆導入部
あなたの情報を得て
相手は、どうなりますか?
どうして、解決できるといえるのでしょうか? またその背景や根拠は?思わず先を読み進めたくなるには?
◆コンテンツボディ
本文をトピックに沿ってポイントは箇条書きを交えて
◆まとめ/結論
締めくくり
- お客様のお困りごとに共感
- 解決策の結論提示
- 解決できる背景や理由
- 解決方法を見出し付きで伝える
- まとめと応援・励まし
これ、何かに似ていませんか?
これ、私がいつもお客様の相談にのるときの流れです。
あぁ、本当にこのとおりにお伝えしています。
驚きました。こんな感じなら書けそうな気がしてきました。
たしかに、ご相談のときはそのお客様ならでは問題に寄り添って、理解して、そのお客様だけの解決方法を丁寧に伝えています。
だから、狭く深く読み手を絞るんですね。
専門知識と志と親切な思いやりがファンをつくる
そうなんです。
白熊さんの専門知識と胸にある志、
そしてそのお客様のために丁寧に伝える思いやりは読み手に伝わります。
それがファンを作るんです。
私にも書けますかね。
むずかしそうだなぁ・・・
最初は難しいと思います。
きっと何日もかかるかもしれません。
また、渾身のブログを書いても反応が今ひとつということもあるかもしれません。
ですが、大丈夫です。
今、人気のページも初めはそうだったんです。
でも、それでもあきらめずに、その投稿内容をブラッシュアップ、更新していけばいいんです。
誰かに読んでもらい感想をもらったり、コンテンツを増やしたり減らしたり、PDCAを回してマイナーチェンジしながら良質なページに育てていくんです。
また、googleサーチコンソールやgoogleアナリティクスなどの解析ツールで具体的に調べながら書き直していく方法もあります。
これはまたの機会にお伝えしますね。
まとめ
- 弁護士事務所はホームページ内のブログで集客できる
- お客さまも情報を探している
- 個人事業主が大手に勝つ手段としてのブログ
- 検索サイトで上位表示されるには、今すぐキーワードより、それにつながる検索数が多く競合の少ないキーワードを狙う
- 専門知識と志と親切な思いやりがファンをつくる
・・・でした。
忙しい中でも専門知識と志で丁寧なブログ作りをしていけばきっと大丈夫。
諦めずコツコツと少しずつでもトライしてみてください。
正しい知識でまずはスタートしてみることが大切。頑張ってください。
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